PROJECT
トータテが手掛けるプロジェクト
開発プロジェクト事例
P R O J E C T R E P O R T
第5話
街づくり
産学連携
まちのコミュニティハウスプロジェクト 【5】
計画変更で学生の
実施採用案が大ピンチ!
upload.2020.03.31
やむを得ない諸事情により、
実施採用案が原案の位置では
建築できず…
学生たちが設計したコミュニティハウスの実施採用案が決定し、具体的な設計に向けてプロジェクトが進み始めると思った矢先、トータテ都市開発からコミュニティハウスや賃貸住宅、広場があるエリアの計画を変更する必要があることがブルースタジオに伝えられました。具体的には、採算を合わせるためこのエリアにこれまでなかった住宅を配置するというもの。企業として採算性を高めることはごく自然なことですが、そのためにエリア全体の面積が小さくなり、コミュニティハウス自体の配置も変えなければならなくなりました。
2019年10月、こうした事情を学生たちに説明するため、学生、ブルースタジオ、トータテ都市開発の3者による打合せの場が設けられました。トータテ都市開発とブルースタジオから一通りの話を聞いた学生たちの表情は硬く、「菜園で作業をする人とそこにいる人とのコミュニケーションやその風景自体が大切なのでは?」「イベント時の使われ方を考え、広場に対して屋台となる開口部を向けられるように建物を配置することは譲れない」など、厳しい意見が相次ぎました。
ブルースタジオの大島さんは、菜園と広場への関係性を維持するためには建物のプロポーションに手を加えなければならないことなどを丁寧に説明しながら、学生が設計した案と現時点の条件の差を少しずつ埋めていきました。誠実に説明を続ける大島さんの姿を目の当たりにした学生たちも、話を聞いているうちに徐々に表情は和らぎ、限られた条件の中で何ができるかを考えるように。建設的な意見交換が行われ、和やかな雰 囲気で話し合いは進みました。
学生たちの想いを大切にしながら
理想のコミュニティハウスを目指して意見交換
後半は、建物の細かな仕様についても議論。最も盛り上がったのは、床の仕上げについて。学生たちは、開放して室内と室外を自由に行き来できるよう土足で入れる土間を想定していましたが、大島さんは内と外の境目をどこにするかを投げかけ、一部を小上りにすることを提案。「土間と小上りの段差は腰かけることもでき、コミュニケーションが生まれる場所」と話し、「境界線のあり方=コミュニケーションのあり方であり、このプロ ジェクトのコンセプト」だと説明しました。
また、菜園側の開口部についても、「菜園に対し間口いっぱいに開口部を設けて、室内外を一体化できるようにすることが大切」と主張する学生たちに対して、大島さんは「構造上不可能ではないがかなりコストがかかる。柱や筋交いを入れる必要がある」と助言し、学生たちの想いをできる限り形にすることを約束しました。
その他、照明や外壁のイメージなどの詳細についても意見を交わした両者。少しずつ形になっていくコミュニティハウスに思いを馳せながら、 学生たちはきらきらと目を輝かせていました。今後は、利用形態や安全面と、今回まとめた学生たちの意見を踏まえた上で、トータテ都市開発と ブルースタジオがいったん持ち帰り、具体的な案を再考します。